文化財建造物保存修理研究会

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2026.02.05

第19回 現場ワークショップ 開催のお知らせ

第19回現場ワークショップは、滋賀県に所在する「国宝延暦寺根本中堂」の保存修理現場を見学します。

【見どころ】延暦寺は平安京の北東に位置し、滋賀県と京都府の県境にまたがる比叡山全域を境内とした天台宗総本山です。
根本中堂は、延暦寺の総本堂で、正門にあたる文殊楼から階段を下った窪地に東面して建ち、前方に廻廊が廻ります。現在の根本中堂は元亀2年(1571)の焼討ちで焼失し、比叡山復興に尽力した天海が徳川家光に進言し幕府普請として寛永19年(1642)に再建されたものです。これが現在の根本中堂です。
その後は、寛文9年(1669)、宝永5年(1708)、宝暦4年(1754)、寛政10年(1798)、明治23年(1890)、昭和30年(1955)と、都合6回の修理を重ねています。なかでも宝暦4年修理の規模は大きく、小屋の解体や塗装・彩色の塗直しがあったようです。寛政10年の修理では、とち葺から銅板葺へと葺材が変更されました。
根本中堂は桁行十一間、梁間六間の入母屋造、一重、瓦棒銅板葺。前方一間を外陣、次の一間を中陣、後方四間を内陣とします。内陣を土間石敷、中外陣を床敷として、仏の空間と人が礼拝する空間を厳格に区切る天台宗本堂の古式をよく残しています。
昭和30年(1955)の修理以降、屋根の破損と塗装の劣化が著しくなり、廻廊とあわせて平成28年から屋根葺替および部分(塗装等)修理として保存修理事業を実施しています。
事業で実施された調査により、これまで明らかでなかった造営経過やその後の改変、修理履歴などが判明しています。特に建物に遺る塗装の痕跡や史料調査などから、建立当初の色彩計画が、その後の修理に伴う塗替えでも連綿と受け継がれていることが窺え、色彩の指向を考察するうえで新たな知見が得られています。また、屋根・棟・破風の外装も、これまで明らかでなかった変遷や時代的背景が判明し、こうした知見が復旧整備の方針につながっています。今回の現場ワークショップでは、こうしたことを中心に研修したいと思います。

お申込み及び詳細はこちらよりご確認ください。